英国の欧州連合(EU)離脱、米大統領選を巡る不透明感や不透明な雇用市場の兆候、北欧や日本ではマイナス金利政策を導入している一方で、農産物や鉄鉱石・石油などの国際コモディティ価格が上昇傾向、中国経済の先行き憂慮の減少、世界全般の経済シナリオ改善の兆候、米国大統領選前に連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利変更の可能性などの要因で、ブラジル企業の海外での資金調達に追い風となってきている。
ブラジル国内問題では、経済リセッションやラヴァ・ジャット作戦汚職問題による政界混乱していたが、180日間の停職中のジウマ・ロウセフ大統領に対する弾劾裁判、経済界から好意的に受け止められているミッシェル・テーメル暫定政権エンリケ・メイレーレス財務相経済班、北欧や日本でのマイナス金利に対する世界最高の銀行金利を維持しているブラジルが注目されている。
今年初め8か月間のブラジル企業による海外での社債発行による資金調達は、前年同期比130%増加の175億ドルに達しており、北半球の夏季休暇後でアメリカの労働者を讃える日のレイバー・デー(9月第1月曜日) 後の9月及び10月に社債発行が活発となり、今年は250億ドルに達すると予想されている。
現在のブラジルの社債や国債、貸付債権などの信用リスクに対して、保険の役割を果たすデリバティブ契約のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、今年初めには政治経済の混乱の影響で500ポイントに達していた。
しかしジウマ大統領の停職によるミッシェル・テーメル暫定政権誕生後のクレジット・デフォルト・スワップCDSは、300ポイントを割ってブラジルにとって資金調達コストが大幅に減少している。
海外での資金調達のためにブラジル企業の社債発行を準備中であるが、初めて海外で社債発行する企業も含めて60億ドルの資金調達を予定しているとサンタンデール銀行のグローバル・コーポレート・バンキング社のジェアン・ピエレ・ヅッケ副社長は説明している。
ブラデスコ銀行国際部のフィリップ・シアルソン主任は、今年のブラジル企業による海外での社債発行総額が400億ドルに達するのは容易ではないにも関わらず、海外投資家は高いリターンを求めて新興国やラテンアメリカ諸国に注目している。
ブラジル銀行では今年のラテンアメリカ地域諸国は前年比10%増加の1,000億ドルの海外資金を調達すると予想、そのうちブラジルは20%~25%を占めると予想している。(2016年8月17日付けヴァロール紙)