2015年7月以降、レアル通貨に対するドルの為替はこれほど下落すると予想したエコノミストは皆無と見込まれるが、昨日のレアル通貨に対するドルの為替は前日比2.04%減少のR$3.237を記録、過去2日間では4.5%下落、6月はすでに10.35%下落して輸出業者が為替の行方を憂慮している。
6月以降のレアル通貨に対するドル安傾向の主因として、国内要因では180日間の停職となっているジウマ政権に対するミッシェル・テーメル暫定政権の誕生、エンリケ・メイレーレス財務相経済班への期待によるサンパウロ平均株価(Ibovespa)の上昇などが挙げられる。
また依然として継続するインフレ圧力並びに米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による今月開催した連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き決定の影響によるレアル通貨に対するドル為替安の傾向、また英国のヨーロッパ連合からの離脱などの要因で、当分の間Selic金利は14.25%に据え置くと中銀総裁に就任したイラン・ゴールドファジン総裁は説明している。
6月29日までの海外投資家によるブラジル金融市場へのドルの流入残は18億7,000万ドルを記録、また中銀のゴールドファジン総裁による為替スワップ介入の減少もレアル高の為替傾向に結び付いているとテンデンシアス社エコノミストのシルヴィオ・カンポス氏は指摘している。
ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は世界最高、それほど悪くない中国経済による国際コモディティ価格の上昇傾向もレアル高の為替を後押し、また停職中のジウマ大統領罷免が確定すれば、レアルに対するドルの為替は、R$3.00を突破する可能性をWagnaer Investimentos社のジョゼ・ファリア・ジュニオール氏は指摘している。
ブラデスコ銀行では最近の国内外の金融市場の影響で、今年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回予想のR$3.60からR$3.20と大幅に上昇すると予想、瞬間的にはR$3.09に達する可能性を指摘している。
またテンデンシアス社でも今年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回予想のR$3.72からR$3.50に上方修正、ブラジル貿易会(AEB)では最近のドル安の為替傾向で、今年の貿易収支黒字を前回予想の500億ドルから450億ドルの下方修正を迫られている。(2016年6月30日付けエスタード紙)