国連貿易開発会議(UNCTAD)が今月20日発表した2015年の世界の海外直接投資は、前年比38%増加の1兆7,600億ドルに達したにも関わらず、ブラジルへの直接投資は前年比11.5%減少の650億ドルに留まっている。
約2年近く継続する経済リセッションやラヴァ・ジャット作戦関連汚職問題に端を発した政治混乱、レアル通貨に対するドル高為替などの要因で、2016年~2018年のブラジルへの直接投資予想は、前回予想の4位から7位と大幅に後退している。
また2016年の南米諸国への直接投資は、民間企業の製造業部門並びにサービス業部門への投資減少が牽引して前年比10%減少の1,400億ドル~1,600億ドルに留まると国連貿易開発会議(UNCTAD)では予想している。
2015年のブラジルへの直接投資は、経済リセッションや企業収益減少などの要因で前年比14.0%の大幅減少を記録、しかし今年はレアル通貨に対するドル高の為替の影響でM&A案件増加が予想されている。
南米諸国の現地通貨に対するドル高の為替で地場企業のM&Aにチャンスとなっており、今年第1四半期の南米諸国の地場企業のM&Aは、ブラジル並びにチリ、コロンビアのM&A案件増加が牽引して前年同期比80%と大幅に増加している。
2015年のブラジルへの海外からの直接投資残高は、4,860億ドルと2010年の6,403億ドルから大幅に減少しているが、最近のレアル通貨に対するドル高の為替が投資残高比較では大きく影響、一方2015年のブラジル企業の海外での直接投資残高は、1,815億ドルと2010年の1,493億ドルを大幅に上回っている。
2015年のブラジル企業による海外での製造業部門への直接投資は、前年比37.7%増加の31億ドル、前記同様にチリ企業の直接投資は155億ドルとブラジルを大幅に上回っている。
2008年の世界金融危機直後に匹敵する昨年のブラジル企業の収益悪化並びに国際コモディティ価格減少による世界貿易の縮小の影響で、今年の世界の多国籍企業などの直接投資は前年比15%減少が予想されている。(2016年6月22日付けヴァロール紙)