昨年初めから継続する経済リセッションによる国内経済の低迷、ペトロブラス石油公社関連のラヴァ・ジャット作戦関連汚職、高止まりする高金利政策、低迷する国際コモディティ価格、ジウマ・ロウセフ大統領の罷免問題などの影響でブラジルのカントリーリスクは上昇の一途を辿っていた。
しかし180日間の停職となっているジウマ政権に対するミッシェル・テーメル暫定政権の誕生、エンリケ・メイレーレス財務相経済班への期待、予想を上回る第1四半期のGDP伸び率などの要因で、ブラジル並びにブラジル企業に対する海外投資家の見方に変化が生じ始めている。
ミッシェル・テーメル暫定政権誕生後、ペトロブラス石油公社並びに食肉加工大手Marfrig社、資源大手のヴァーレ社、バイオ燃料生産のコザン社、紙・パルプ生産のEldorado Celulose社は、それぞれ海外で社債発行をして総額96億ドルの資金調達に成功している。
今年初めのブラジルリスクは、政治経済の混乱の影響で500ポイントに達していたにも関わらず、ミッシェル・テーメル暫定政権誕生後には、300ポイントを割って資金調達コストが大幅に減少してきているが、過去最高の140ポイントには程遠い。
またテンデンシア・コンスルトリア社エコノミストのナタン・ブランシェ氏は、レアル通貨に対するドル高の為替、サンパウロ平均株価(Ibovespa)上昇による各ブラジル企業の時価総額上昇などの要因で、金利の安い海外での短期資金調達が容易となってきている。
今後数週間以内にもブラジル企業の海外での社債発行などで資金調達をすると、ヴァーレ社並びにMarfrig社、コザン社の主幹事を務めたブラデスコ銀行投資担当のレアンドロ・ミランダ専務は予想している。
ミッシェル・テーメル暫定政権誕生後に、ブラジル企業が海外で調達して資金総額96億ドルは昨年の資金調達額80億ドルをすでに上回っており、また過去数年前の上半期の資金調達額は250億ドル~300億ドルに達していた。
5月末に食肉加工大手Marfrig社は7億5,000万ドルを調達したにも関わらず、資金調達の大半は事業拡張のための投資ではなく、償還期間が迫っている社債の購入資金に充てる。
資源大手のヴァーレ社は5億ドル~10億ドルの資金調達を予定していたにも関わらず、年利が6.0%で50億ドルの需要があったため最終的に12億5,000万ドルの資金調達を成功させた。
またペトロブラス石油公社は年利が8.0%以上にも関わらず、67億5,000万ドルの資金調達に成功して今年のブラジル企業の中では最大の資金調達に結び付いている。(2016年6月10日付けエスタード紙)