昨年のブラジルは継続する国内景気リセッション並びに更なる財政悪化、投資不適格級への格下げ、高止まりするインフレなどの要因で、ブラジル中銀はレアル通貨の変動を抑えるため為替市場への介入再開を余儀なくされていた。
昨年ブラジル中銀はレアル通貨の変動を抑えるため為替スワップなど為替市場に積極的に介入してレアルの下落に対処したが、為替スワップによる損害は897億レアルを計上している。
中銀は為替スワップ介入を2002年から開始、2014年の為替スワップによる損害は173億レアルを記録していたが、2015年の損害897億レアルを大幅に下回っていた。
中銀のアレシャンドレ・トンビーニ総裁は、為替スワップ介入はレアル通貨の急激な変動を最大限に抑えるためであり、ドル安の為替への誘導目的ではないと強調している。
しかしブラジル中銀がレアル変動を抑制する動きに出た背景には、レアル通貨の安定以外にも、レアル安によるインフレ率抑制困難の排除、景気後退が深刻なために通貨防衛のための政策金利の引き上げには困難が伴うにも関わらず、インフレ率を引き下げるため政策金利は現行水準の継続を余儀なくされている。
2015年のレアル通貨に対するドルの為替は48.5%上昇して過去13年間で最大の上昇率を記録、中銀にとってレアル安になるほど為替スワップ介入による損害が拡大する。
ブラジルの外貨準備高は約3,700億ドルで世界でも有数の保有国である一方で、外貨準備高減少は外貨建て債務の多いブラジルのような国では特に、対外ポジション悪化懸念を生じる可能性が強いために、長期的な外貨準備高使用による為替介入は難しい。(2016年1月7日付けエスタード紙)