昨日、中銀はレアル通貨に対するドル高の為替を緩和するため大口のドル介入を行ったにも関わらず、為替動向が全く不透明となっているため大半の金融市場関係者がドル購入で先争いを行っている影響で、ドルの為替は天井知らずとなっている。
昨日のドル為替の終値は前日比2.10上昇のR$4.1350を記録して1994年7月のレアル通貨導入以降では最高のドル高の為替を記録、また5日連続でドル高の為替となって10月のドルの先物取引は3.18%上昇のR$4.1900を記録している。
先月末にネルソン・バルボーザ企画予算相が提出した2016年度連邦予算案では歳入減で財政プライマリー収支は国内総生産(GDP)の0.5%に相当する305億レアルの赤字を発表した影響で、米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げた。
スタンダード&プアーズ社によるブラジルの長期外貨建てソブリン格下げ、議会承認が困難を極めている財政再建策の国会審議、連立与党内の亀裂拡大や勢力均衡調整、更なる歳出増大の憂慮、年内に開始される米国の利上げ懸念なども相乗効果となってドル高の為替に歯止めがかからない。
不透明感が増加しているラヴァ・ジャット作戦による汚職問題やドル高の為替、議会承認が困難を極めている歳出増法案の大半が承認されれば他の格付け会社による信用格付引下げが避けられないために、益々ドルの為替に歯止めがかからなくなる。
ソブリン・リスクがどれほど高まっているかを示す指標にデフォルトに備える保証コストを表す「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の長期外貨建てソブリン格付けをジャンク級「BBプラス」に引下げ発表した翌日の保証料率は、350ポイントを突破して今年初めの200ポイントから大幅に上昇している。
今月21日のCDSの保証料率は428ポイント、22日には465ポイント、昨日は475ポイントと更に上昇して益々のドル高の為替になってきており、太平洋同盟国のチリ並びにペルー、コロンビア、メキシコの平均CDSの保証料率は173ポイント、中国は119ポイント、インドは180ポイント、ロシアの376ポイントを大幅に上回って、ブラジルの信用力の低さが顕著になってきている。
今月18日のブラジルの外貨準備高は3,830億ドル、今月18日間のレアル通貨に対するドルの為替は8.73%上昇、今年のドルの為替は48.78%上昇、中銀に対してドル高の為替コントロール強化のため保有している外貨準備高の取崩しに圧力がかかってきている。
ドル高の為替で輸出価格競争力の上昇に伴って輸出拡大並びに輸入減少で貿易収支が改善されてきており、農畜産セクターの貿易収支でドル高の為替は国際コモディティ価格減少分を輸出の収益性上昇で補う効果となっている。
しかしドル高の為替で輸入小麦を原材料としているフランスパンは今年8か月間で8.10%の値上げ、医薬品は6.13%値上げ、化粧水は5.90%値上げ、一方で8月のブラジル人の海外旅行による支出は、前年同月比46.2%減少の12億6,300万ドルに留まっている。(2015年9月24日付けエスタード紙)