最近のレアル通貨に対するドル高の為替でインフレ指数の高止まり並びに中銀の通貨政策委員会(Copom)による政策誘導金利(Selic)の引下げの先送り懸念が高まってきている。
過去30日間のレアル通貨に対するドルの為替は実質11.06%下落、今年はすでに31.26%下落、ブラジル国内では混沌とした政治問題や連邦政府は今年の財政プライマリー収支黒字目標のGDP比1.13%に相当する663億レアル達成は不可能と判断してGDP比0.15%に相当する87億4,000万レアルに引き下げると発表しているためにドル高の為替は今後も継続すると予想されている。
ブラジル国外では米連邦準備理事会(FRB)での金利の引上げ予測並びに鉄鉱石や石油の国際コモディティ価格下落で資源輸出大国のブラジルの輸出が大きな影響を受けるために、ブラジルなどの新興国の為替が更に悪化する可能性が指摘されている。
また中国経済の先行き不透明感増加並びに大豆やトウモロコシなどの穀物、鉄鉱石や石油の国際コモディティ価格下落によるブラジル大手企業の収益の悪化、また財政支出拡大および政府債務増加が想定されることなどを指摘したスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げていた経緯があった。
最近のドル高の為替の影響で今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の9.1%から9.3%に上方修正、レアル通貨がドルに対して10%下落すれば過去12か月間の名目IPCA指数は0.7%上昇するとイタウー銀行エコノミストのフェリッペ・サーレス氏は説明している。
中銀では2016年のインフレ指数の中央目標値4.5%達成を強調していたが、イタウー銀行では最近のドル高の為替で前回予想の5.3%から5.8%に上方修正、MB Associados社では前回予想の5.4%から5.6%に引き上げている。
フェリッペ・サーレス氏は、現在のSelic金利14.25%は来年第2四半期から減少に転じると予想していたにも関わらず、最近の益々のドル高の為替で来年下半期からの減少に転じると予想を変更している。(2015年8月16日付けエスタード紙)