格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、10月初めに大統領選挙が迫っているにも関わらず、ブラジル経済が短期的に回復する見込みがないために、ブラジルの信用格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。
ムーディーズは財政プライマリー収支黒字の悪化並びにジウマ政権4年間のブラジルの国内総生産の低い伸び率、停滞している公共投資、投資家の景況感の悪化などの要因で、短期的な経済成長の回復が見込めないために見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。
現在の投資家や企業経営者の景況感指数は、世界金融危機の2008年~2009年並みまで減少しているにも関わらず、ギド・マンテガ財務相は、ムーディーズの信用格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げたことに納得がいかないとコメントしている。
ムーディーズは次期政権によるブラジルの信用格付けを引き上げるためには、財政プライマリー収支黒字をGDP比2.0%~3.0%まで引き上げる必要があると指摘している。
ブラジル国内の経済回復の兆候が表れていないために、次期政権でも2015年から2016年は経済不振からの脱出が難しいとムーディーズのシニアアナリストのマウロ・レオス氏は指摘している。
ブラジルの格付けは投資適格級で下から2番目の「Baa2」に据え置かれたにも関わらず、8月の経済統計では約5年ぶりのテクニカルリセッション入りしたことが明確となっている。
昨日、ブラジル最大野党・社会民主党(PSDB)の大統領候補のアエシオ・ネベス氏は、選挙運動で訪問中のゴイアニア市でブラジルの信用格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げられたのは、与党の経済政策の失速であると指摘している。
またベロ・オリゾンテ市で選挙運動を行っていた野党・社会党(PSB)のマリナ・シルバ氏は、ブラジルが軟弱な経済政策の中に置かれていると指摘している。(2014年9月10日付けエスタード紙)