2008年4月に他の格付け会社に先立ってブラジルを投資適格級に格上げしたスタンダード&プアーズ社は、ブラジルの長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
スタンダード&プアーズは、過去数年のブラジルのGDPの低い伸び率の継続、公共支出の拡大、経常収支赤字の拡大、経済政策に対する信頼性の低下が国際経済市場のボラティリティに対応する能力を低下させる可能性があると指摘している。
ジウマ・政権誕生の2011年のGDP伸び率は2.7%、2012年は0.9%、第1四半期のGDP伸び率は前四半期比で0.6%とわずかな伸び率に留まっており、GDP伸び率の牽引であった一般消費が0.1%と非常に低く、また今年のGDP伸び率も予想を大きく下回る可能性も指摘されている。
輸出の減少、ブラジルコストに直結するインフラ部門の整備が急がれているにも関わらず、民間部門の投資の減少なども格付け見通しの引下げにつながっているとスタンダード&プアーズのアナリストのセバスティアン・ブリオーゾ氏は説明している。
国内消費の需要拡大するために、連邦政府は公立銀行のクレジット拡大を要請したが、GDP伸び率が低率で推移しているために、公立銀行の資本に対するクレジット比率の増加や延滞率の増加の可能性など銀行システムの悪化につながる点を指摘している。
同社は昨年末にペトロブラス石油公社のグローバル債券の格付け「A3」に対する見通しを「安定的」から格付けを引き下げ方向で見直すことになる「ネガティブ」に引き下げ、またエレトロブラスの格付けを「BBB」から「BB」に引き下げて格付け見通しを「弱含み」とされた。
2008年の世界金融危機後のブラジルのGDP伸び率は世界平均の3.3%を上回る3.7%であり、経済ファンダメンタルズは安定していると財務省経済班スタッフのマルシオ・オランド氏は説明している。(2013年6月7日付けエスタード紙)