最近の石油の国際コモディティ価格が上昇し、米国をはじめとした世界経済の回復の妨げになっており、今年になってイギリスの北海にあるブレント油田から採鉱される硫黄分の少ない軽質油のブレント原油価格は17%も高騰している。
クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事は、最近の急騰する石油価格が世界的景気回復に深刻な脅威を与えるのではないかと危惧しており、世界経済はまだ危険水域を脱していないとコメントしている。
国際航空運送協会(IATA)では、最近の大幅な原油価格の高騰によるジェット燃料のケロシン価格も上昇して、今年の世界全体の航空会社の純益は、大幅に減少すると予想している。
昨年は、リビア国内の政情不安に起因する同国の石油供給の減少、今年は中東とイランの新たな紛争危機の影響で、今後も継続して石油価格の上昇を予想、IMFのある理事は、イランの石油輸出が滞れば石油価格は短期間に20%から30%高騰すると予想、しかし、イランの石油供給不足分を他の産油国が増産をして、石油価格が安定するには時間がかかると見込んでいる。
石油価格の高騰は、インフレ上昇の要因となるため各国の中銀は金利の引上げを余儀なくされる影響で、各国の経済が停滞すると英国銀行のAndrew Sentance元理事がフィナンシャル・タイムズで述べている。
昨日、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアのアル•アルナイミ石油大臣は、現在の石油価格は不当に高いために、最大25%まで石油増産を行うと発表した影響で、ブレント石油価格は、1バレル当たり1.26%下げて124.12ドルとなった。
ペトロブラス石油公社のグラッサ・フォスター総裁は、ブラジル国内の石油価格の値上げを否定したが、業界アナリストは年内の石油価格の値上げは避けられないために、インフレが予想よりも高くなると見込んでいる。
テンデンシア・コンサルタント社のアナリストであるチアゴ・クラド氏は、「我々のシナリオでは、石油の国内価格と国際価格に大きな開きがあるために、これ以上、現在の価格を維持できないため、5月中旬に石油価格の値上げ」を予想している。
また、クラド氏は、石油価格の10%の値上げでインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)が0.4%上昇するため今年のインフレは5.5%に上昇、連邦政府のインフレ中央目標値の4.5%を再び上回ると予想している。
中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録では、今年の石油価格並びにプロパンガスの値上げは予定されていないにも関わらず、値上げが避けられないために、同氏は、中銀がインフレの見直しを余儀なくされると予想している。
LCAコンサルタント社のエコノミストであるフランシスコ・ペソア氏は、石油価格の国内外の価格差調整は避けられないために、石油製油所のジーゼル燃料卸売価格は35%並びにガソリン卸売価格は33%の値上げを予想している。
ペソア氏は、一般消費者に対して石油価格の値上がりを最小限に抑えるために、連邦政府は通称燃料税と呼ばれる経済支配介入納付金(Cide)の減税並びに石油価格に含まれる社会保険融資納付金(Cofins)や社会統合基金(PIS)の減税などを行うと予想している。(2012年3月21日付けエスタード紙)