2008年の世界金融危機をきっかけにエタノール生産業界は資金繰りに窮しして、一斉に投資計画を縮小したために、エタノール需要に対して供給が不十分な状態の影響を受けて、エタノール価格が高止まりを続けている。
エタノール生産大手のサン・マルチーニョグループとペトロブラス・ビオコンブスチーヴェル社はジョイントヴェンチャー会社Nova Fronteira社(NF)を設立、サン・マルチーニョグループ傘下のゴイアス州のボア・ヴィスタ工場のエタノール生産を拡大する。
NF社はゴイアス州キリノポリス市のボア・ヴィスタ工場に今後3年間に5億2,070万レアルを投資して、サトウキビの処理加工能力を現在の300万トンから800万トンに引き上げ後は、世界最大のエタノール生産工場の誕生となる。
同社では2014年/15年のサトウキビ収穫期のエタノール生産を7億リットル、サトウキビのバガスによる発電で60万メガワット/時の電力エネルギーも生産を予定している。
ボア・ヴィスタ工場はペトロブラスも資本参加しているLogum社が建設中のエタノールパイプラインの隣接地にあり、また南北幹線道路、Transpetro社がインフラ整備を行っている水上河川にも近くて非常に地の利がよい。
同エタノール生産工場はパイプラインを通して大消費地の南東地域にエタノールを供給、鉄道を通してマラニャン州から北部地域や北東地域に供給、また同州の港湾から輸出も可能となる。
現在の同工場のエタノール生産用のサトウキビの20%が栽培農家からの供給比率であるが、生産処理能力が飛躍的に増加するために供給比率を40%まで引上げると予定、また投資金の80%は社会経済開発銀行(BNDES)の融資、残りの20%は自己資金で賄う。
2012年/13年のサトウキビ収穫用には1億7,960万レアルを投資して、処理能力を340万トンに引き上げ、2013年/14年には3億2,610万レアルを投資して400万トン、最終年の2014年/15年には800万トンまで引き上げる。
エタノール業界は2008年の金融危機前までのエタノール生産は年率平均で10%の伸び率を記録、しかしリーマンショック後は運転資金や資本調達が困難に陥り、また負債が大幅に増加したために、投資縮小を余儀なくされていた。
しかし好調な国内経済に牽引されてフレックス車の生産は増加の一途をたどっていたにも関わらず、エタノール生産が年率3%まで縮小したために需給バランスが崩れて、エタノール価格がガソリン価格との比較でメリットがなくなっている。
金融危機後のエタノール生産会社の株価下落による時価総額の大幅な減少で、業界の再編の加速並びに石油生産企業や外資系商社などの異業種参入が続いており、今回のエタノールの大幅増産計画が業界の投資再開の引き金になる可能性が大きい。(2011年8月18日付けエスタード紙)