今年2月末に格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは汚職問題並びに1,000億ドル以上の債務を抱えるペトロブラス石油公社の返済能力に対する懸念で同社の社債の格付けをジャンク級(投資不適格級)の「Ba2」に引き下げていた。
ペトロブラスの設備投資総額はブラジル製造業全体の10%以上を占めてブラジル経済の大きな原動力となっているにも関わらず、決算発表の遅れやラヴァ・ジャット作戦による汚職問題の発覚の影響で同社の格下げによる信用下落や資金調達のための借り入れコストの上昇で、同社の設備投資計画も縮小を余儀なくされる可能性が上昇していた。
グラッサ・フォスター総裁は、昨年末のペトロブラスの2015年~2019年の5か年計画では2204億ドルの投資総額を発表していたにも関わらず、ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題や社債格下げによる景況で資金調達のための借り入れコストの上昇、また石油の国際コモディティ価格の下落、レアル通貨に対するドル高の為替による負債増加などの要因で、負債軽減のための自社資産の早急な放出を迫られている。
今週金曜日にペトロブラスは経営審議会を開催して今後5年間の投資計画の最終予算承認を決定するが、短期負債軽減の改善策を優先させるために当初予算の30%~40%カットに相当する1,300億ドルまでの予算削減になると予想されている。
しかし同社は負債軽減並びに収益性の高い事業以外の自社資産放出を発表しているにも関わらず、ペトロブラスの労働組合側は、同社資産放出に伴う人員削減を阻止するために偽造民営化反対をスローガンにストライキ入りを検討している。
レアル通貨に対するドル高の為替に伴って石油消費の国内需要を満たすための輸入石油コストの上昇、石油の国際コモディティ価格の下落による同社の収益の悪化につながっているために、決算改善のためには早急な自社資産放出による負債軽減を余儀なくされている。
技術革新に伴って岩塩層下(プレソルト)原油開発コストが減少してきているために、ペトロブラスはプレソルト原油開発ならびに石油・天然ガスの増産に資金を集中的に投資する一方で、石油配給事業のガソリンポスト事業部門からの撤退が予想されている。(2015年6月24日付けエスタード紙)