6年以上に亘って滞っていた第1回岩塩層下(プレソルト)原油開発向け入札が2013年11月に実施され、ペトロブラス石油公社並びにフランス資本のTotal社、英国/オランダ資本の Shell社、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然ガス集団(CNPC)のコンソーシアムが落札したリブラ 鉱区向けの35年間のコンセッションの開発コスト総額は、4,000億ドルに達すると世界で最も有名な石油・天然ガス開発コンサルタント社IHS社は予想 している。
国家原油庁(ANP)の発表によると、最低入札価格150億レアルで落札したコンソーシアムの中で40%の権益を擁するペトロブラスは60億レアルを支出、ペトロブラスの35年間に亘る開発コスト総額は1,600億ドルに達すると予想されている。
しかしペトロブラスは国内のガソリンやディーゼル燃料需要をまかなうために、国内販売価格よりもコストの高い燃料輸入を余儀なくされており、連邦政府に燃料価格の値上げを要請しているにも関わらず、インフレ指数の上昇を緩和するために、わずかな値上げ幅の承認で大幅な収益の改善が見込まれていない。
またプレソルト原油開発の遅れに対して、アフリカ各地での原油開発の進展、米国のシェールガス開発、カナダのオイルサンド開発など外資系メジャーにとっては、ペトロブラスが最低でも30%の資本参加するプレソルト開発よりも魅力的な原油開発案件が増加してきている。
現在のプレソルト原油開発による1日当たりの原油生産は30万バレルと予想を大幅に下回っており、2020年の1日当たりの原油生産量予想530万バレルの達成は非常に難しいと見込まれている。
エジソン・ロボン鉱山エネルギー相によると、今後10年後には1日当たりの原油生産は470万バレルを予想、そのうち国内消費は310万バレル、輸出はヴェネズエラ並みの160万バレルを見込んでいる。
ペトロブラスによるプレソルト原油開発向け投資は2,370億ドルが予定されているが、2008年以降プレソルト海域での有望な海盆の発見は途絶えており、またブラジル国内でのプラットフォームの建造、原油開発関連装置の製造などが軒並み遅れている。
またペトロブラスは、プレソルト原油開発に集中するため海外の手持ち資産を売却して資金調達を余儀なくされており、ペルー並びにコロンビア、アフリカ各地、メキシコ湾などの資産を相次いで売却している。
しかし予想埋蔵量が10億バレルに達して原油開発資金が安価で収益率が高いセルジッペ州の油田開発は、プレソルト原油開発が優先されているために、先送りされている。
ペトロブラスのマリア・ダス・グラッサス・ンフォスター総裁は、手持ち資金が580億ドルあるために短期資金には余裕があると強調しているにも関わらず、過去2年間でペトロブラスの時価総額は1/3も減少している。(2014年1月8日付けエスタード紙)