政府がエタノールの租税を撤廃するとともに、業界に対して助成を伴う融資を実施する。さらに、これと並行して化学工業向けにも減税を実施する。連邦政府は23日、エタノールに対する社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)の課徴率をゼロに引き下げるとともに、砂糖アルコール業界向けに社会経済開発銀行(BNDES)が2種類の信用枠を設けるという、新たな景気刺激策を発表した。この政策はエスタード紙が、既に2週間前報じていたもの。
エタノールに対して1リットルあたり0.12レアルの水準で課徴されているこれらの分担金は、5月から、支払いが免除される。これに伴う減税規模は、2013年12月までに9億7,000万レアル、さらに2014年以降は年間14億5,000万レアルに達する見込み。ただし、この減税は消費者価格に反映されず、このため、インフレ指数に対する物価上昇圧力の緩和にもつながらない。
ギド・マンテガ財務大臣は、「政府の狙いは、業界が投資を拡大することだ」と説明。ジウマ・ロウセフ大統領も同様に、今回の対策が価格の下落を保証するものではないとコメントした。
さらに政府は、同じく5月から、ガソリンに混合するエタノールの比率も現行の20%から25%に引き上げる。また今回の発表に合わせて、政府は、化学工業向けの振興策も発表した。これは、PIS/Cofinsの課徴率を現行の5.6%から1%に引き下げるというものである。
減税措置
政府が発表した砂糖アルコール工業向けの減税措置は、2013年5月から12月にかけて9億7,000万レアル規模、さらに、2014年以降は年間14億5,000万レアルの減税を見込む。化学工業向けの減税規模は2013年が11億レアル、2014年以降は16億5,000万レアルになる見込み。連邦政府は23日に発表した経済振興策は2つで、これまでのものに新たに砂糖アルコール工業と化学工業を加えた格好。この2業界に対して、政府は、この振興策が施行される5月以降、総額20億レアルの減税を実施することになる。
エタノール・メーカーに対して政府は、売上に含まれるPISとCofinsの課徴率をゼロとする。言い換えると、今回の措置はサトウキビ生産者には影響しない。施行は5月からで、エタノール1リットルに対して0.12レアルが課徴されているPIS/Cofinsの支払いが免除されることになる。減税規模は、5月から12月までが9億7,000万レアル、21014年以降は年間14億5,000万レアルを見込む。
併せて、政府は、推定税額クレジットの付与も継続する。これは、メーカーが政府に納付すべきPIS/Cofinsの推定税額をクレジットとし、その他の租税の支払いに適用することで減税する仕組み。上記からわかる通り、実際には、砂糖アルコール・プラントには2つのインセンティブが適用されることになる。つまり、支払う税額そのものの引き下げと、税率の引き下げである。
BNDES
砂糖アルコール・プラントにとっては、5月から、ガソリンに対する無水エタノールの混合比率が20%から25%に引き上げられることも、需要の拡大という観点から追い風になる。しかも、需要の拡大と減税に加えて、政府は、BNDESを通じて助成を伴う融資を実施する。
1つは、2012年に立ち上げられたプロレノーヴァ(Prorenova)と呼ばれる信用枠で、金利が年利8.5%から5.5%に引き下げられている。インフレ率を考慮すると、BNDESが設定するこの金利は、マイナス金利となる。サトウキビ・プランテーションの植え替えに対し、この信用枠から40億レアルが拠出される。もう1つの信用枠は、エタノールの備蓄の運転資金に対する融資で、年利7.7%を設定し20億レアル規模を拠出する。
ただし、政府は今回の振興策でエタノールの小売価格が低下するとは期待していない。マンテガ財務大臣は、「政府が期待しているのは、業界が投資を拡大し、それに伴い、エタノール生産が拡大することだ。砂糖アルコール・プラントは、2008年の国際金融危機の打撃を受け、現在、かつての勢いを回復しようと努めている」とコメント。その上で、「今回の一連の振興策をもって、業界がそれを必ず価格に転嫁しなければならないとは受け止めていない。政府が求めているのは、彼らが投資を拡大することだ」と付け加えた。
今回の対策についてサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)のエリザベス・ファリーニャ(Elizabeth Farina)会長は、「エタノール業界が抱える問題の解決には至らない」としつつも、「ビジネスの上で競争力を強化する好ましい判断」との認識を示した。
化学工業
政府は、今回の発表に、化学工業向けの振興策も含めた。エスタード紙が2週間前に報じたように、政府の経済スタッフは、特定の業界3業界(砂糖アルコール工業と化学工業、防衛産業)向けの振興策を策定していた。このため、23日の発表に伴い残すところは防衛産業のみである。
化学工業向けには、5月から、化学製品の原材料(ナフサ、ブチレン、ポリエチレン、PVC、熱可塑性樹脂、その他)のメーカーに対し、PIS/Cofinsの課税率を、5.6%から1%に引き下げる。さらに、推定税額クレジットの付与も継続する。
マンテガ財務大臣は、「実際のところ、業界の税負担が軽減される上、8.25%の税額クレジットが提供される」とコメント。これに伴い、政府は、2013年に11億レアル規模、2014年からは16億5,000万レアル規模の減税を、化学工業向けに実施する。
ブラジル化学工業協会(Abiquim)のファッチマ・フェレイラ(Fátima Ferreira)理事は、「今回の減税措置は、業界各社にとって大きな支えになる。化学工業は現在、設備稼働率が80%で、逆に言えば20%の余裕しかなく、米国経済の回復を前に危険な水準にある」とコメントした。(2013年4月24日付けエスタード紙)