米国資本シンメトリックス社はブラジル側パートナー企業Encalso-Damha社と共同で、サンパウロ州サン・カルロス市に1億5,000万ド ルを投資してクレジットカード、公共交通機関向けチップ付き切符、赤外線センサー向けの強誘電体メモリーなどのチップ生産を予定している。
サン・カルロス市への工場建設決定は同市役所からの優遇税制の提供並びにサンパウロ州大学や多くの大学などが集中した学園都市であり、優良な人材確保が容易なことが決め手となった。
半導体工場建設は来年から開始されるが、操業数年後には売上を1億ドルと見込んでおり、主にブラジル国内市場向けに出荷されるが、昨年の世界の半導体市場規模は3,000億ドル、そのうちブラジルは1.0%から2.0%を占めているに過ぎない。
ブラジルの半導体生産は1980年代に盛んであったが、1990年初頭の輸入自由化政策で外国の半導体企業は撤退して国内生産が終焉を迎え、半導体企業の ブラジルへの進出にはメリットがないために中国での生産を選んでいるが、同社ではニッチ市場に賭けている。(2008年10月3日付けエスタード紙)