各州が実施する振興策によって雇用と所得が失われているという工業連盟の主張を、Abeceが批判。
同協会(Abece)は、輸入が国内産業の近代化を後押しし、また消費財輸入も2011年には輸入全体の18%にとどまっていたと主張する。
国内商社大手25社が会員になっているブラジル貿易会社協会(Abece)が、輸入品の影響を受けて10年間で91万5,000人の雇用が失われたと主張するサンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査を批判。
この調査の内容はフォーリャ紙が去る2月26日に報じたもので、各州政府が導入している税制優遇政策を利用して工業製品が続々と輸入されたことから国内工業が2011年、800億レアルの機会損失を受けたと指摘していた。
カルドーゾ政権とルーラ政権下で開発商工省次官も務めたAbeceのイバン・ラマーリョ会長は、「それは間違った見方だ。さまざまな州が税制優遇措置を導入しているのに、輸入はサンパウロ州に集中する状態が続いている。」と反論。
同協会が独自に集計した開発商工省のデータによると、サンパウロ州の輸入は2011年に820億ドルに達しており、言い換えれば、サンパウロ州の輸入がブラジルの輸入全体の36%を占めた格好。
協会はさらに、サンパウロ州では昨年、工業用の中間投入財の輸入が41%増加した一方で、消費財の輸入は12%の伸びにとどまったと強調。
「サンパウロ州工業は、10州で展開される輸入反対運動の旗振り役だが、彼らこそ大規模に輸入を展開している。そして輸入は現地生産を代替してしまうのではなく、むしろ、それを補完する役割を果たしている。」とラマーリョ会長はコメント。
2011年、消費財(衣類とシューズ、食品、自動車)の輸入はブラジルの輸入全体の17.72%であったが、このパーセンテージは、2010年の水準(17.29%)をほぼ維持している。
一方、機械(機材と設備)と中間投入財(工業部門により生産段階で使用される材料)の輸入は、全体の66.3%にもなる。「もしブラジルの輸入の50%を消費財が占めているなら、それは懸念すべきことだろう。しかしながら私たちの置かれている状況は、そのような事態とは程遠い。」と、ラマーリョは見解を示す。
国内工業が競争力を増強するため、さらに、国内の工場が技術を高めるため、そしてより安価な中間投入財の調達を可能にするために輸入は不可欠だと、Abeceは強調する。
しかも輸入が拡大した2011年、それに伴って激化するとFiespが主張する雇用の縮小は起こらなかったと同協会は話す。
為替
輸入するかどうかの判断は、現在のドル為替相場に強く関係しており、各州政府の税制優遇政策に関連しているわけではないと、Abeceの依頼を受けて調査を実施したコンサルタント会社、ローゼンベルグ・アソシアードスは報告書の中でコメント。
「輸入は、為替相場と関係している。ブラジル国内のドル為替相場は安く、輸入が極めて魅力的になっている。」という。
その理由からこの報告書では、低利の融資や税負担の軽減、ロジスティクスの改善といった工業政策を通じて各州政府が期待していることを実現させるというところで、議論を深めるべきだと指摘。
コンサルタント会社のローゼンベルグはさらに、パラナ州とサンタ・カタリーナ州、ゴイアス州、南マット・グロッソ州、ペルナンブコ州、アラゴアス州、セルジッペ州、トカンチンス州の8州で導入されている税制優遇政策が、雇用と生産、所得にとってプラス効果をもたらしたことも明らかにした。(2012年3月6日付フォーリャ紙)