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【景気回復で対伯投資に向かう日本】 2013/10/01


日本人投資家が、全速力でブラジルに回帰している。20年におよぶ景気の低迷とブラジルとの経済的断絶を経て、日本の財界は、2012年と2013年の経済成長に後押しされる形で、出足の遅れを取り戻し、消費が拡大するブラジル市場の波に乗ろうとしている。

2013年1―7月期、日本企業による直接投資の累積額は15億7千万ドルに達し、2012年に計上した年間14億7,100万ドルを追い抜くとともに、国別に見た対伯直接投資のランキングで日本が6位に入った。しかも、8月までの最新データを見ると、2013年の直接投資は、さらに16億5,700万ドルまで拡大している。

日本とブラジルの財界関係者が9月第4週、ベロ・オリゾンテ市で、第16回日伯経済合同委員会会議を開催、2国間の相互貿易の拡大に向けてメルコスルとの自由貿易協定を検討するのに加え、工業生産とサービスに対する投資機会を協議した。

ここでは、輸送・物流向けの建設工事の加速と技術の輸入、ブラジルにおける生産コストの削減を目的に、インフラ分野とエネルギー分野の2つの業界が、戦略的分野だと指摘された。

CNIのカルロス・エドゥアルド・アビジャオド産業開発担当理事は、「日本は、新規投資の機会を求めていく必要がある国だ。だが彼の国は、何年も前に、ブラジルを『発見』済みだ」とコメントした。日本企業がブラジルに進出し始めたのは1950年代であり、70年代には投資ブームに沸いた。ブラジルの経済危機に伴い80代に停滞し始め、1990年代には日本のバブル崩壊に伴い、この停滞状況が続いた。ようやく2000年代に入って日本の対伯投資が回復し始め、その動きが今、強まっている。

ブラジル日本商工会議所(CCIJB)の平田藤義事務局長は、「遠く離れているということに加えて、失われた20年はアジアの近隣諸国と取引がしやすかった事情もあり、ブラジルと南アメリカは日本から忘れられてしまった」と話す。1967年にブラジルに移住し、自らをガウーショと任じる同氏は、更に、「だが今は違う。なぜならブラジル市場は巨大だからだ。誰もが、こちらに注目している」と付け加えた。

ブラジル政府にとって良い意味での驚きとなったのは、2012年に下降線を辿っていたブラジルの対日輸出が、2013年1―8月期には一転して同期比8.2%増と、上向いたことだ。しかも日本企業によるブラジル国内投資は過去5年にわたって拡大しており、2008年に10億ドル強だったものが2011年には75億ドルに達した。

日本の財界をまとめる日本経団連によると、ブラジルには日系資本の企業が455社進出しており、その一部は、まさに最近の新規進出組である。ダイキン・ブラジル法人のルイス・カルロス・カブラル販売担当副社長は、「ブラジルは、これから大きなイベントが開催される国であり、国外では誰もが、そこに注目している。だが、適切な空港やホテル網、電話通信システムなどを欠くという構造的問題があることも、誰もが認識している」と言う。

ダイキンは2年半前にブラジルへ進出、既にモジ・ダス・クルーゼスに小規模の工場を保有しているが、現在、2014年6月にマナウス市に大規模な工場を開設すべく準備を進めているところである。

カブラル副社長は、「1月には、設備の設置にこぎつける予定だ。初期投資は1億レアル規模」と言い、「弊社が確固と掲げる目標は、市場でトップに立つことであり、それを競うために、弊社はブラジルで事業を展開している」と結んだ。(2013年9月28日付けエスタード紙)

 

工業部門が日本とメルコスルの貿易協定を求める

ベロ・オリゾンテ市で開催されたカンファレンスの重要な議題の1つが、日本とメルコスルの経済協定の可能性に関するものだった。

議論の中でサンパウロ州工業連盟(Fiesp)と全国工業連合会(CNI)が、日本経団連と、2014年の検討課題としてこの問題について取り組み、2015年には新政権に提案書を提出する。

Fiesp国際関係・貿易部会のトーマス・ザノット副部会長は、「日本には、この種の合意締結を後押しする手本と言える経済連携協定(EPA)があり、両国にまたがる民間部門によって予備的な検討を進めている段階だ」と言う。

同副部会長によると、日本側の提案は単なる輸入税率の問題だけに止まらず、批判の集まる国内の規制と非関税障壁に透明性を求めており、意欲的なものだという。日本は世界最大の豚肉輸入国でありながら、ブラジルからは2013年9月にようやく、7年におよぶ交渉を経てサンタ・カタリーナ州に限って認可したという経緯がある。「つまり、両国がそれぞれ積極的に展開する業界と制限を加える業界を分析するために、双方で検討すべきなのだ」と言う。

CNIのアビジャオディ氏は、「フルーツなど、農業分野でブラジルは、日本と多くの懸案を抱えている。貿易協定締結における大きな利点は、非関税障壁の撤廃について協議することだ」とコメント。更に、「それは、ブラジルがメルコスルを着実に発展させる意思があるかどうかにかかっている」と付け加えた。(2013年9月28日付けエスタード紙)

 

90年代の撤退組がブラジル市場に続々復帰

1994年にブラジル市場から撤退したIHIが、ペルナンブコ州への2億700万レアルの投資を決断した。

日本の対伯投資の再開は、新規進出企業だけが後押ししているのではなく、数十年前に進出していながら撤退を余儀なくされた日本企業も含まれている。その好例が、多国籍企業のIHI(旧石川島播磨重工業)である。同社は1958年にブラジルに進出したが、リオデジャネイロに保有していた資源業界向けの機械・設備工場と造船所の石川島を1994年に閉鎖し、撤退した経緯を持つ。

撤退からほぼ20年後の2013年6月、同社は、ペルナンブコ州に拠点を置くアトランチコ・スール造船(EAS)資本の25%を取得してブラジルに復帰する判断を下した。同社は、自社技術をブラジルに導入するだけでなく、2億700万レアルを出資する。

IHIの今井修己ブラジル担当社長は、「目標は、弊社が保有する技術を導入してEASの業務を加速させ、ペトロブラスやトランスペトロといった顧客の要望に応じることだ」と話す。同社長によると、同社は物流やエネルギーといった分野にも注目しているが、当面はEASに注力する。また、EASへの出資比率を引き上げる可能性もある。

1971年にブラジルに進出したホンダは、サンパウロ州内陸都市のイチラピーナ市に、第2工場を建設すると発表した。10億レアルを投資するこの工場は、2015年の稼動を予定する。第2工場の稼働に伴い、現在年間12万台のホンダの生産能力は2倍に拡大する。パウロ・タケウチ南米ホンダ・グループ統括担当取締役は、「弊社は、可能な限り現地で部品を製造する。最初の試験運用期間に90%を確保し、最終的には、コストの削減に向けて100%の国産化を達成するのが目標だ」と言う。

ただし同取締役は、競争の激しい自動車業界のような製造業で持続可能性を確保するには、工場だけで取り組むのでは不十分だと指摘する。「弊社は、製品を改良し国内の生産環境を最大限に活用するため、研究開発センターをサンパウロ州スマレー市に立ち上げて、人的資本の育成に投資する」と言う。同センターには1億レアルが投資され、2013年11月にはオープンする予定だ。

投資に関連して同取締役はさらに、スマレー工場の電力需要に完全に対応し、2014年9月の稼働を予定するリオ・グランデ・ド・スル州シャングリ・ラの風力発電パークの建設もそうした取り組みだと指摘した。

9月にエレベーター会社を買収した三菱電機は、その他の企業の動きや事業認可の動きに注目しているという。三菱電機のルイス・タダシ・アクタ・ビジネス開発担当部長は、「弊社は、このほど業界規定が策定され始めたインフラ分野でも、事業を展開している」とコメント、

その上で同部長は、関心を持つ企業を引き留めるように連邦政府が、より明瞭な形で業界規定を提示する必要があると指摘する。そして、「弊社はエネルギー分野と水処理事業に注目しており、連邦政府が実施する事業入札への対応を検討している」と付け加えた。(2013年9月28日付けエスタード紙)


 



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