様々な意見が飛び交う中国産大衆車のブラジル向け輸出を巡る議論で、その論争の的になっているJACモーターズが、7日、バイーア州に自社工場を建設する計画を発表する。
年間10万台の生産能力を持つ工場を立ち上げる意向で、投資額は9億レアル、事業の80%がブラジル資本となる。
この投資は、ブラジルにおけるJACモーターズの社長、セルジオ・ハビブ氏(53)が推進する。同氏は6日、フォーリャ紙とポータルサイトUOLに対してこの問題に言及、ここ数日、中国とブラジリアへの出張を重ねていることを明らかにした。
同氏は7日、国内生産に関して正式にコミットメントし、連邦政府からは輸入車に対してIPIの課税率を引き上げた問題について譲歩を引き出す。
ジルマ・ロウセフ大統領は9月、ブラジルが自動車に関する2国間貿易協定に署名しているアルゼンチンやメキシコといった国々以外から輸入された自動車に対して、IPIの課税率を30パーセントポイント引き上げる大統領令に署名した。
このIPI課税率引き上げの理由の1つが、中国車が低コストでブラジル市場に流入しているためだった。市場では3月以降、JACモーターズのJ3がすでに2万台以上販売されており、その価格は、国内メーカーがまだ揃えていない装備まで組み込んで3万7,900レアルである。
この計画が現実のものとなれば、セルジオ・ハビブ氏は、ブラジル国内の大衆車メーカーの中では唯一のブラジル人オーナーになる。このセグメントで事業を展開するその他のブランドはいずれも、外資系多国籍企業である。
ハビブ氏によれば、JACが現地生産する車両は、「4万レアル以下の車両想定している」という。この国産中国車のリリースは、2014年になる見込み。工場の設置場所は、サルバドール大都市圏のカマサリ工業コンビナートに近い場所になる。
バイーア州を選んだ理由は、いろいろな理由があるものの、その一つは経済性。「過去4年間でブラジル国内の自動車市場は44%成長した。サンパウロでは15%の成長だが、サルバドールは65%に達する。単純な計算だ。現在のサルバドール市場は、レシーフェ市を加えると、コロンビアを上回る」とハビブ氏は言う。
自動車の輸入の専門家として20年以上の経験があるハビブ氏は、かつて、フランスのブランド「シトロエン」のブラジル参入の責任者だった。同氏は現在、およそ100店舗のディーラーを保有する。「2分ごとに1台を販売している」という同氏は、今年、1億レアルを広告費に費やす見込み。テレビ司会者のファウスト・シルバを起用したJACの広告は過去数カ月、あらゆる局で放送されている。
年商およそ50億レアルのSHCグループのオーナーでもあるハビブ氏は、2010年の大統領で労働者党(PT)のジルマ・ロウセフ候補に投票した。サンパウロでは、州知事にブラジル民主運動党(PMDB)所属のジェラルド・アルキミン候補に投票した。天秤にかけて、彼はPMDBの党員になった。
IPIの引き上げが引き金となって工場を建設することになったという意見を、同氏は明確に否定する。それでも、連邦政府への圧力には容赦がない。「もし政府が変革を望まないなら、我々には工場を建設することはできない。だが、私は言っておく。私はブラジリアにいたが、政府は、投資を可能にするための変革を検討する意図を持っているようだ」(2011年10月7日付フォーリャ紙)