ジウマ・ロウセフ大統領は国内産業保護を前面に打ち出した産業政策「ブラジ ル拡大計画(PBM : Plano Brasil Maior)」を8月に発表、自動車産業に対する税制インセンティブ優遇政策の詳細発表は遅れていた。
しかしレアル高の為替で中国や韓国からの輸入自動車が急増して国内メーカーのマーケットシェアが減少しているために、連邦政府は大手メーカーから輸入自動車の急増を阻止する保護貿易政策採用の要請を受けて、自動車部品の国産比率が低い輸入自動車に対して、IPI税を大幅に引上げた。
メルコスール域内やブラジルの自動車部品比率を最低65%と決めたために、国産比率が65%に達しない中国製や韓国製などの輸入大衆車の工業製品税(IPI)は7%から30%上乗せの37%に引き上げられ、また欧米の高級輸入車も直撃を受けると予想されていた。
韓国の現代自動車のサンパウロ市内のディーラーは早々に、人気モデルのValoster型車を5,000レアル値上げの7万5,700レアル、I30型車を1,250レアル値上げの5万6,250レアルにそれぞれ値上げしている。
またドイツの高級ブランドBMW社のディーラーでは先週中にX3型車を通常価格で販売して在庫を一掃、ドイツの高級ブランドAudi社では最も低価格のA1車も在庫一掃している。
中国のJACモーターは今後2カ月間に亘ってJ3型やJ6型などはすでに国産化しているために、IPIの大幅な引き上げにも関わらず、先週末に値上げをしないと発表していた。
JACモーターの輸入車が急増して販売が好調で大きな在庫を抱えていたことが功を奏して、J3型車は3万7,900レアルから3万8,890レアル、J6型は5万8,800レアルから6万2,590レアルで引き続き販売される。
JACモーターの先週末の販売台数はIPI引上げ前の価格販売による駆け込み需要で、通常の50%増加の450台に達しており、通常は月間3,000台の販売台数から飛躍的に増加した。
しかし同社の在庫がなくなれば、IPIの引上げ率30%全ては販売価格には転嫁されないが、25%前後の値上げを余儀なくされると関係者は予想している。
JAC社は連邦政府の国産比率65%以下の輸入自動車に対するIPIの大幅引上げ発表後に、6億ドルを投資して2014年からブラジル国内での大衆向け自動車生産計画を中止すると発表して、政府に対応を迫っていたが、計画は継続される模様となっている。
また中国資本Chery社はすでに国産化しているQQ型車の在庫が30日分あるために2万3,990レアル、Tiggo型車は5万2,990レアルの価格を維持すると予想されている。(2011年9月21日付けエスタード紙)