いわゆる港湾戦争だが、既成事実と言うだけでは物足りなくて、常軌を逸したものに成り果てている。今の状態では、連邦政府や上院の意欲ある行為だけでは、根絶やしにするのは不可能に近いだろう。
この戦争の基にあるのは、輸入製品に対する州政府の補助金譲与(ICMSの返金)であるが、その目的は、輸入製品を当該州の港(ドライポートまたは海の港)で陸揚げし、それによって州の公庫へ臨時の税収を上げることだけではなく、州内に工場を誘致することもある。利用可能な分析評価によると、この補助金は2011年の工業製品輸入額の10%以上に達している。
輸入を行っている州がタックス・ヘイヴンの如くオペレーションを行っているかのように、すべては進んでいる。その主な結末は、輸入品が国産品よりも安くなってしまうということだ。火曜日、財務省のネルソン・バルボーザ長官曰く、「この補助金はレアルに対して米ドルが8.9%安くなったのと同等の影響を及ぼしている」と。
このような条件下で、輸入品は国産品に対して略奪的競合を行い、ブラジル工業界を脱水状態に陥れ、雇用を減少させている。(いかにこの戦争が仕掛けられたかは<理解のために>を参照のこと。)
現在上院で審議中の法案は、輸入品の州間ICMSの税率を4%に統一しようというものだ。しかしこの道程で二つの障壁に行き当たる。政治的障壁と法的障壁だ。
政治的障壁は、この戦争が拡大してしまっていて、州政府の利益を擁護する上院によってこの法案が否決されるリスクのある状態にあるという事実である。
一部の州知事たちは、自らの州が将来蒙る損失に対し満足のいく補償がない場合、このプロジェクトに反対の運動をするとすでに表明している。別の機会にこのコラムで強調したように、州知事に対するこうした補償の支払を認めた時、連邦政府、特にギド・マンテガ財務大臣は新たな常軌逸脱、つまり法で罪と認められた税務海賊行為に対し州政府に補償してやるという逸脱を生み出す覚悟をしたのである。
法的障壁は憲法152条であるが、そこで明らかにしているのは、「州政府、連邦直轄区、地方自治体が、各種財の間および各種サービスの間に、いかなる性質のものであれ、その根拠あるいは目的を理由に、税制上の差異を設けることを禁止する」ということである。輸入品と国産品との間に異なる取り扱いを設けようとしたので、もし上院を通過すれば、決議文72号は違憲判決が下る可能性がある。
しかし、これはブラジルで唯一の税金戦争ではない。ほかに無数の戦争がある。新設工場誘致を目的とした、ICMSクレジットの給付、インフラ工事用地の譲渡といった経済政策だ。これらはすべて常軌を逸した税制が基になっていて、ブラジルの連邦制としての関係を弱体化させるものだ。
根本問題は現行税制の混乱で、なかんずくICMSの諸規則である。政府はあの手この手を使って、今回についてはこの決議文72号という法的措置で、執拗に修正しようとしている。
明確な修正ということなら、掘り下げた根本的な税制改革が求められる。しかし、それは、現行憲法が発効した1988年以来、システマティックに延期されてきてきたプロジェクトなのである。
<理解のために>
港湾戦争: 商品流通税(ICMS)をとは各州政府が徴収する州税。多くの場合、ICMSが発生する商品の流通はひとつの州とは限らない。その場合、法律で想定されているとおり、州間で徴収する税を州同士で分けなければならない。
どのように機能するか: 商品が輸入され通過する州は12%または7%のICMSが徴収される。目的地の州は、税率が12%または17%だが、商品の所有者は元の州で支払ったものを割り引いて払う権利がある。
返金:補助金は、商品が輸入通過する州が徴収したICMSのうち最高75%まで返金するというものだが、商品の所有者は商品の目的地のである州において、元の州での返金がないものとして、差額全額を受け取る権利がある。元の州は、普通なら輸入を呼び込む魅力がないので、このオペレーションで稼ぐのである。(2012年3月22日付けエスタード紙 コラム記事)