社会経済開発銀行(BNDES)はエタノール燃料増産のために「Prorenova」と命名された、総額40億レアルに達する特別クレジット枠を設けて、エタノール生産業者向けに融資を開始、このクレジット申請は年末まで有効となる。
この「Prorenova」クレジット枠はエタノール増産目的に、サトウキビ耕作地の100万ヘクタールの拡大や生産性が落ちているサトウキビの植え替えなどに使用され、米国へのエタノール輸出拡大や国内のエタノール燃料価格がガソリン価格と競合できる適正価格にするためとなっている。
2008年のリーマン・ブラザーズ銀行の破綻をきっかけとした世界金融危機で、ブラジルのエタノール生産会社は負債拡大で投資減少、ガソリン価格減少や天候異変などの要因で生産が大幅に減少、特に中南部地域のサトウキビ生産は6億トンから4億9,000万トンと大幅に減少した。
ブラジル石油監督庁(ANP)ではエタノール価格がガソリン価格よりも割安なのは唯一、ゴイアス州だけであり、エタノール燃料のエネルギー効率はガソリンの70%に相当する。
グアラニー製糖会社のジャシール・コスタ・フィーリョ社長はBNDES銀行のこの特別融資はポジティブであるにも関わらず、長期金利(TJLP)が年利6.0%プラス1.3%に固定コスト0.5%で7.8%、それに銀行スプレッドなどを加算すると10%近くと予想を上回っており、小規模な生産企業や負債を抱える企業にとっては厳しいと指摘している。
2010/11年のエタノール生産は300億リットル、砂糖は3,890万トン、収穫が終わりかけている2011/12年は240億リットル、3,670万トンとそれぞれ生産は減少、しかし価格は記録を更新している。
砂糖は国際コモディティ価格の上昇に伴って2010/11年の輸出は2,500万トン、2011/12年は2,800万トンと拡大して、多くの砂糖メーカーの負債削減につながった。
しかし連邦政府が意図的にガソリン価格を5年間据え置きにしているために、生産減少によるエタノール価格上昇は生産企業の収益アップにはつながっていないために、投資意欲を削がれていた。
エタノール生産企業の投資減少でサトウキビ関連の機械・装置メーカーDEDINI社の売上は2008年の20億レアルから2011年には10億レアルと半減、同部門の設備稼働率は75%から45%と大幅に落ち込んでいる。(2012年1月12日付けエスタード紙)