5月下旬からから継続するディーゼル燃料価格値下げ要請を発端とした、全国規模のトラック運転手の国道封鎖による抗議デモの影響は、ガソリンポストの石油・エタノール、ディーゼル燃料不足であらゆる産業界に影響を及ぼしており、パルプ業界でも原材料のパルプや化学薬品不足による減産を余儀なくされていた。
昨年下半期から世界的にユーカリを原料とする短繊維パルプ価格は上昇傾向を示していたが、世界的な短繊維パルプメーカーが集中しているブラジルのパルプ生産は、トラック運転手の国道封鎖による抗議デモの影響で減産を余儀なくされている。
今後数カ月間以内に外資系パルプメーカーによる値上げが予想されており、スペイン資本Ence社では、6月1日からヨーロッパ市場向け1トン当たりの短繊維パルプ価格を20ドル引上げ、今年第3四半期に1070ドルになるとItau BBA社では予想している。
国道封鎖による抗議デモの影響でブラジルのパルプ生産は30万トン~48万5,000トンの減産を余儀なくされ、1トン当たりの価格は5レアル~7レアル上昇しているとJ.P.Morgan社は説明している。
コンサルタント会社Hawkins Wright社では、国道封鎖による抗議デモ中のパルプ減産を32万トンと予想している一方で、Itau BBA社では10万トン~15万トンの減産を予想している。しかしFibria社並びにStora Enso社のジョイントベンチャー企業Veracel社は、抗議デモによる減産の影響は微小に留まっている。
BTG Pactual銀行では、今年の中国市場における短繊維パルプ価格を730ドルと予想している一方で、2019年~2020年の平均価格は、前回予想の650ドルから740ドルに引き上げている。
またItau BBA社では、Suzano Papel社の抗議デモ中のパルプ減産によるEbitdaは、2億5,000万レアル減少を予想しているが、第3四半期には回復すると見込んでいる。
抗議デモ中のパルプ減産を余儀なくされた短繊維パルプメーカーでは、短繊維パルプの国際コモディティ価格の上昇並びにドル高の為替が後押しして、輸出増加で第3四半期の大幅な収益改善が見込まれている。
売上の80%~90%がドル為替連動のSuzano Papel社では、レアル通貨がドルに対して10セント為替安になれば同社のEbitdaは 6億レアル上昇するとItau BBA社は説明している。(2018年6月1日付けヴァロール紙)