1971年の法令5709号で外国人によるブラジル国内の農耕地所有は禁止されていたにも関わらず、形骸化していたため2010年に連邦政府が外国人による自由な土地購入に対する制限強化、ブラジルに本拠を置く企業を設立することで既存の制限をかいくぐる抜け道を塞ぐことを決定して制限されていたが、しかし外国人による農耕地購入による投資は、ブラジル国内経済を活性化させる利点のほうが制限するよりも多いと議論されてきた経緯があった。
ジウマ政権では長らく外国人への耕作地所有に関する議論は棚上げされていたが、外国人による農耕地の購入で植林事業や農畜産事業への投資を活性化する動きがでてきており、また外国企業グループによる農耕地購入は最大10万ヘクタールまでに制限すれば問題は発生しないと議論され、暫定令(MP)による外国人による耕作地購入発表が予想されている。
国立農地改革院(INCRA)の発表によると、外国人のブラジル国内の農耕地所有面積は、アラゴアス州を上回る281万ヘクタールに達してブラジルの農畜産部門の1%に相当する面積を擁している。
外国人によるブラジル国内の耕作地所有の地域別比較では、穀倉地帯の中西部地域が全体の30.6%を占めてトップ、次いで南東部地域の27.2%、南部地域は15.5%、北東部地域は7.3%、北部地域は19.4%となっている。
外国人の耕作地所有比較では、ポルトガル国籍が外国人所有の耕作地面積の25%を占めてトップ、次いで1970年代にセラード開発で土地所有を拡大した日本国籍の12.9%、イタリア国籍6.2%、スペイン国籍3.8%、ウルグアイ国籍2.6%、米国国籍1.5%、中国国籍0.3%、その他は47.7%となっている。
外国人の耕作地所有の77.5%は個人、法人企業は僅かに22.5%に留まっているが、外国の法人企業の耕作地所有では南東部地域が46%で圧倒、特に大規模なサトウキビ並びにコーヒー、オレンジ栽培を行っている。
南東部地域の46%に次いで南部地域は30.7%、中西部地域は13.3%、北東部地域は9.8%、法人企業のブラジル国内での耕作地所有面積は63万1,000ヘクタールとなっている。
外国人による耕作地所有の規制が改正されれば外国人投資家は、ブラジル国内の土地購入で200億レアル~500億レアルを投資するとスペシャリストは予想している一方で、連邦政府関係者は規制解除の初め2年間で720億レアルの投資を見込んでいる。
連邦政府では規制解除でマット・グロッソ州の穀倉地帯では300万ヘクタールの耕作地が外国人投資家によって購入されると予想、パライーバ州に匹敵する農耕地の売買が予想されている。
外国人による耕作地所有の規制解除で、多くの外国人投資家は地価の安い放牧地を購入、その後利益率の大きい穀物生産に切り替える可能性があるために、規制改正の内容を吟味する必要性が指摘されている。(2017年3月7日付けヴァロール紙)