世界のサーモン生産の30%を担うチリでは、2017年から生産拡大による価格下落を防いで価格安定化のため生産規制導入を実施するとチリサーモン工業協会のフェリッペ・マンテローラ ジェネラルマネージャーは説明している。
過去2年間エルニーニョの影響で南太平洋の海水温度が上昇して紫外線が強くなり、夏が長く続いた影響でチリ沿岸では、赤潮が大発生してサーモン生産が大きな影響を受けている。
2014年のチリのサーモン生産は95万5,100トンであったにも関わらず、2015年は赤潮発生の影響で83万4,100トンまで減少、しかしサーモン生産では世界トップのノルウエーやカナダでは生産が順調に推移したために、受給バランスが崩れて価格破壊につながった。
今年のチリのサーモン生産は、エルニーニョの影響で昨年の83万トンを15%下回る67万トンに留まると予想、ブラジルはサーモン輸出の90%以上をチリ産に依存しているために、今年初め7か月間のブラジル国内のサーモン小売価格は21.9%上昇している。
チリサーモン工業協会のフェリッペ・マンテローラ ジェネラルマネージャーは、チリ産サーモンの価格安定のためチリ国内の各地域に生産割当制を導入して年間生産を67万トンに制限すると予想している。
今年上半期のブラジル国内のチリ産サーモン販売は前年同期比9.0%減少の4万2,200トンに留まったが、同期の世界へのサーモン輸出は1.0%減少の28万1,100トンを記録している。
2015年のチリ産サーモンの米国向け輸出は14万3,100トンで輸出総額は11億7,200万ドル、前記同様にロシア向けは6万3,000トン、3億420万ドル、日本向けは15万トン、8億1,890万ドル、ブラジル向けは9万4,400トン、4億7,960万ドルとなっている。
ブラジル国内でも健康志向を受けて日本食が注目されている影響で魚消費ブームによる魚類の安定供給のために養殖事業が注目されており、特にアマゾン原産の成長が早くて養殖が簡単なタンバキの生産は、2020年には30%増加の33万トンまで増加すると予想されている。
また1キロのタンバキ生産には鶏肉生産並みの1.8kgの飼料で生産可能であるにも関わらず、単位面積当たりの飼育は養魚生産を牽引するチラピアの5倍の飼育面積の必要性がネックとなっている。
タンバキの他にアマゾン原産の魚養殖で注目されているのは1年で12㎏の成長が可能となるピラルクーであるにも関わらず、世界的にピラルクーの養殖経験が少ないために生産技術が確立していない。(2016年8月22日付けヴァロール紙)