中国経済の停滞や原油価格下落、過去数年間に世界の穀物供給国は高騰する食糧価格に供給強化で対応した影響で穀物の国際コモディティ価格が停滞しており、収益性の高い投資先を模索している世界の投資ファンドがブラジル国内の穀物栽培耕作地に注目している。
ジウマ・ロウセフ大統領の罷免採決などによる政治混乱や1年以上継続する経済リセッションなどのマイナス要因にも関わらず、海外のエクイティファンドは、ドル高の為替並びにインフレ指数以下の土地価格の上昇率で格安となっているブラジル国内の穀物栽培耕作地の選定を開始している。
カナダ年金基金投資委員会(CPPIB)、インフラ分野で豊富な実績のあるカナダ大手ファンドBrookfield社並びにブラックストーンが資本参加しているブラジル資本Patria社が共同で今後の世界の穀物一大供給地が見込まれているマトビバ地域の穀物栽培耕作地の選定を開始している。
今後の穀物生産増加のポテンシャルが高い地域として、ブラジル北部・北東部のマラニョン州(MA)南部並びにトカンチンス州(TO)東部、ピアウイ州(PI)南部、バイア州(BA)西部の4地区に跨るマトピバ地域が注目されている。
Informa Economics FNP社の調査によると、過去12か月間の穀物栽培耕作地の地価はインフレ以下の上昇に留まっており、食肉や酪農向けの飼育地の土地価格の上昇率以下に留まっている。
今年2月の大豆栽培が大半を占めるマット・グロッソ州の1ヘクタール当たりの穀物栽培耕作地の価格は前年同期比僅か2.0%増加の1万5,385レアル、過去3年間では僅かに22%増加に留まっている。
また今年2月の食肉や酪農向けの飼育地の1ヘクタール当たりの土地価格は7.0%増加の5,381レアル、過去3年間では41%増加、未耕作地が殆どない南大河州の穀物栽培耕作地は2万6,045レアルと高止まりしており、過去3年間では19%~51%増加、一方食肉や酪農向けの飼育地の1ヘクタール当たりの土地価格は18%増加の1万1,167レアル、過去3年間では83%増加している。
過去12か月間のトカンチンス州の1ヘクタール当たりの大豆栽培耕作地は僅かに1.0%増加の1万950レアル、マラニョン州では1.0%増加の1万レアルで土地購入が可能となっている。
連邦政府が外国人による自由な土地購入を制限するために、ブラジル企業への資本参加並びに経営者はブラジル人と義務付けしているために、将来の自国の食糧確保のためにアラブ諸国の政府系ファンドや中国企業は、パートナーとなるブラジル企業を選定している。
Vanguarda Agro社は自社所有耕作地並びに借地合わせて17万9,000ヘクタールを所有、負債総額は9億7,810万レアル、SLC Agricola社は過去数年間に積極的な農地購入を行ったために負債総額は10億9,000万レアルに達している。(2016年4月19日付けエスタード紙)