|
(1) Y2K問題
金融業界の2000年は、2年間近く対応に頭を悩ませてきたコンピュータの誤作動懸念、いわゆるY2K問題について、とくに大きなトラブル・混乱もなく、オフイスに泊り込みで新年を迎えた経営者の安堵感と共に幕を明けた。
(2)Banespa民営化
ブラジル政府が全株式を保有して経営再建を進めていたサンパウロ州立銀行(Banespa)の民営化計画は、2000年5月以降、民営化に反対する労働 組合が差し止め請求を行うなどして遅れていたが、11月20日に行われた入札では、Santander, Bradesco, Itau, Unibanco の4行が参加、スペイン系の Santander 銀行が70億5千万レアルで落札した。これにより、同行はブラジル民間銀行として総預金量で3位の規模となった。このほか、同じスペイン系のBilbao Viscaya 銀行も支店網の拡大計画を発表、スペイン系銀行の活動が目立っている。
(3)中銀決済システムのRTGS化
(Sistema de Pagamento Brasileiro)
ブラジル中央銀行は、従来より指摘されていた金融決済におけるシステミックリスクを軽減させる目的で、2001年10月を期限として、決済システムの RTGS化(即時グロス決済)を導入することを決定した。 民間銀行はその導入期間の短さや、新規発生するシステム投資負担にやや戸惑いを感じつつも、10月の正式稼働に向け着々と準備を進めている。
|
|
(4)2001年の相場見通し
2001年に入り、米国の緊急大幅利下げやS&Pによるブラジル格上げ、政府による順調な海外起債、アルゼンチン危機の一服等、レアルに対する 好材料が目立っているが、中銀は貿易収支の赤字基調への配慮からレアル安容認姿勢をとっており、為替相場は1ドル=1.95レアルのレベルで21世紀をス タートさせた。年央にかけても、構造的な経常赤字と外貨流入ペースの減速、米伯インフレ率等のフアンダメンタルズ格差、国内大幅利下げに伴う内外金利差の 縮小等を理由として、引き続き穏やかなレアル安が継続すると予想される。
しかしなが ら、良好なフアンダメンタルズや格上げに伴う国際市場での信任回復に加え、例年上半期は農産物の収穫期となり、輸出が顕著となるため、国内でレアルが大き く売り込まれる材料はとくに見当たらず、為替相場は当面安定した動きを示すと予想される。ただし、外貨フアイナンスを海外投資家に大きく依存している構造 上、当地市場は国際市場の環境変化に敏感な反応を示しやすいのも事実であり、米景気や世界的な株価動向、アルゼンチンをはじめとする新興国市場の動き、原 油・中東情勢には引き続き注意を払う必要があり、リスクシナリオはレアル下振れと見ておく必要がある。
|